- 大工
- 村上幸治
早い!きれい!
下地の達人
現場では「怪我をしない。ミスをしない。工期を守る」
当たり前ですが、大切にしている事です。
真夏や真冬の現場は体力的に非常に辛い。それでも気の合う大工仲間と大勢で仕事している時が楽しく、大工工事が完了し、出来上がった建物を眺めるのが至福の時と話す大工の村上さん。
木を触っている時間が一番!!という村上さん。実は、アレルギーをお持ちだとお伺いしましたが。
そうなんです。実は松のアレルギーで触っていると手が荒れてしまうんです。それでもコンクリートや新建材と呼ばれる非木材の材料よりも、木を触っている方が気分も良いです。本当に木を触っている時が一番好きです。木材を必要な寸法に刻む(加工する)時は何より楽しいですね。
小さい頃から大工を目指していたのでしょうか?
小さい頃の夢はF1レーサーだったかな。その後は消防士。ただ、子供の頃から工作が得意で、牛乳パックでガンダムを作ったりしていました。学校を卒業する時に、やっぱり大工になるぞ!って思って。初めて大工になった時に、九州出身の厳しい親方の影響は今でも大きいです。その方は大工の仕事とは・・を教わった師匠の様な方です。大工は手取り足取り教わるのではなく、親方や先輩の仕事を見て覚えていくのですが、休憩時間には色々な技術や考え方を教えてくれました。現場で図を描きながら教えてくれるのですが、教え終わるとその図をすぐに消してしまうんです。“一回しか教えないから良く聞いておけよ”っていう事だったと思います。
朝礼代わりとして、朝は早めに集合して職人さん同士でコーヒーを飲みながら話をするのが日課という村上さん。その日の天候や現場状況に合わせて作業場所を決めたり、注意点を皆で共有したりして工夫しているのだとか。職人としての拘りも奥が深いようですね。
「細かすぎて何を言っているのか分からない」といつも大工仲間に言われています(笑)。現場での細かな納まり部分とか、出来上がったらどうってことない箇所でも、どうやったら綺麗に納まるのか?など、そこまでの経緯と工程にこだわっています。仲間内からも下地マニアとも呼ばれています。下地が綺麗でないと、出来上がりは絶対に綺麗にならない。だからボード貼りなどの仕上げに関する下地も絶対に手を抜きません!とにかく木を触る作業が大好きで、ボード張りは早くて綺麗に仕上げる自信があります。
細かな拘りが周囲からの評価も高く、難しい作業を伴う物件は「村上さんにご指名」ということがあるそうですね。
“この物件は難しい作業が多いから、幸治君にお願いするわ”って感じです。信頼されている証だと思っています。先日竣工した東大阪市のK様邸は階段の納まりが難しくて、それ以外にもボリューム満点の難しさでした。建築家の先生からの要求度がかなり高かったのです。図面に表されているものは何としても創るのですが、後から創り直さないといけないような時は悲しくなります。でも、そんな要求があるからこそ出来上がったらスゴイ!と思いますね。注文住宅の建築は苦労した分、完成した時の感動は他では味わう事のできない素晴らしい仕事です。
仕事に対する拘りもさる事ながら、道具に対する思い入れもあるんですよね。
道具は大好きで色々と買っています。電動工具やエア工具が無いと仕事が進まないので購入するのですが、本当は昔ながらのカンナやノミなどアナログな道具が好きです。価格とは全く違う価値があると感じています。価格的には電動工具の方が高いのですが、電動工具が壊れるよりも、金槌やカンナが壊れた方が悲しくなりますね。
若手大工の棟梁として大活躍の村上さん。今後の目標について教えてください。
最近は、建設現場で働く職人や作業員は仕事がきつい・厳しいというイメージや、現場で働いている人のモラルが低いと思われたりして、一流の職人を志す若者が減ってきている状況ですが、自分達30代の若い世代が頑張ってこれまでのイメージを覆し、更に若い世代に憧れられる職人になりたいと思っています。
村上 幸治 / KOJI MURAKAMI
アーキッシュギャラリーの注文住宅建築は、建売住宅や一般的な住宅と創り方が全く違いますよ。建売住宅は早さが勝負。作業の丁寧さや美しさ、拘りは求められません。注文住宅建築は、お施主様や設計者、現場監督からの要求は厳しく難しい作業を伴い大変ですが、その分完成した時の感動は他では味わうことの出来ない素晴らしいものです。一邸一邸に想いを込めて誇りを持って仕事に取り組んでいますので、安心して任せて下さい!