鉄筋コンクリート住宅・RC住宅 実績例 1346
House in Hatsudai
東西に長い長方形で道路以外の三方は隣家が迫る典型的な都市型敷地である。方位に対してほぼ正対し北側斜線が最も厳しく敷地全体に作用する。
本計画は南側採光を礼讃する家づくりを疑うことからはじめた。南側に庭が広がり、開口には深い庇が設けられ、庭と庇にバウンドした光が心地良く室内へと導かれる。かつての模範的な住宅の空間構成だが、現在は庭や深い庇を望む事は難しい。そこで、北側にそびえる反射壁を利用して室内へ光を導くことを考えた。厳しい北側斜線は裏を返せば、自身の建物によって日射が遮られない状況が担保されているとも言える。隣家のために頭を垂れるのではなく、反射壁に光をバウンドさせて自分の家に光を導くために身を屈めるのだ。反射壁は外部からの視線を遮断して水平への抜けを確保する。視線と直射光から開放された北側の大開口はカーテンも不要で常に広がりと開放感を保証してくれる。南側開口を疑うことで開放的な安息の都心住居を獲得できることを示している。