何となくそろそろ家を建てなければ、と思いつつマンション暮らしでも足りていたため、どこか他人事のようでした。住宅展示場や住設ショールームを見に行っても、ありきたりでつまらない建物や、収め先のイメージが沸かない物からはプラスになる動機は生まれませんでした。私たち家族の生活スタイルに必要な大きさや全体予算の目星をつけるために、とりあえず手短なハウスメーカーで計画をスタートすることにしましたが、何度、打合せをしても納得のいく形にはならず…。
そんな時、住宅雑誌に出ていた建築家ページからアーキッシュギャラリーに偶然辿り着き、ダメ元でプランニングステージに入会。多くを語ったわけではなかった初回打合せの後に宮本先生より出されたプランはドンピシャでした!ハウスメーカー以外での家づくりに、周囲から心配する声もありましたが、私達はそれでも枠に囚われない家づくりができるアーキッシュギャラリーを選びました。子供達も毎回、ギャラリーでの打合せを楽しみにしており、小さな子供達が好きになれる雰囲気を持っている会社だから、きっと間違いはないだろうとも思っていました。
とにかく後悔をしたくなかったので、断熱材やスイッチ、コンセントの配置、材料の板厚、タイル目地割りなど思いつく限りの確認と検討をしました。イメージと現実、お互いの思い違いを防ぐために、図面を描いて送ったり、本当に細々としたやり取りによく付き合ってくれたと感心しています。
「世界中で一邸」は意匠だけでなく、家づくりのすべて「営業・設計・施工」において個々の望みを満足させてくれることを意味しているのだなと思い返しています。住み始めて気付く心残りも多少ありますが『いい家だなぁ』と毎日しみじみ呟いてしまうほどの家が出来上がりました。
設計者コメント
敷地は幹線道路から中に入った閑静な住宅街の一角、周囲は2階建の住宅が立ち並ぶよくある景色です。そこに、夫婦と子供2人の為の住宅として計画されました。敷地に少し余裕があるため、平屋建てで家にいることが楽しく、子どもと遊べる住宅を望まれました。
一般的には、南側に広い庭を取り、そこを子供の遊び場とするのですが、やはり南側には隣家が建ち並んでいるため、それが適当だとは思われませんでした。そこで、中庭をいくつか取る案を考え、子供が自由に遊びまわれるように、中と外が曖昧な関係を作ることにより、家が子供の遊び場となればと考えました。外からは閉ざされた箱ですが、中に入ると子供の気配がどこにいても感じられる住宅になっています。
子どもと一緒に遊び、成長していく姿をこよなく楽しみにしている夫婦にとって、この住宅が楽しく過ごせる器となることを願っています。
- 設計事務所
- Artスタジオ 宮本正人
- 得意分野
- 個人住宅、集合住宅
住宅とは「人に優しくなければいけない」といつも考えてきました。空間を通し自然を感じ、建築と自然とが一体として融合しえた時、本当に気持ちのいい場があり空間が創造できるのではないかと思います。そんな建築をつくり続けたい。