「間口約4mの細長い土地」母屋の隣に家を建てることを決意したものの、そもそもこんな制限された狭い土地に快適な家を建てることができるのだろうかという強い不安を抱きながら私たちの家創りはスタートしました。大手住宅メーカー数社からもプランの提案を受けたものの、制限された土地であったため、必要な部屋が詰め込まれただけの面白みのない提案ばかりで、なかなか魅力的なプランが出てこず、やはりこの土地では素敵な家を建てるのは難しいのかと私たちは諦めかけていました。そんな時に偶然アーキッシュギャラリーのインターネットで作品ギャラリーを見つけ、私たちと同じような細長い土地でも、とても快適そうな施工例が多く掲載されており、建築家に設計してもらいたいという思いが強くなりました。「どうせ制限された土地なのだから、建築家に設計してもらって、面白い家を建てよう。」と私たち夫婦の思いが固まったところでアーキッシュギャラリーを訪ねることにしました。
面白い家を建てたいという思いはあったものの、具体的な要望等があまりなかった私たちから、担当コンダクターの月森さんはとても要領よく要望を引き出してくれ、その要望を受けて吉村昭範先生はとても豊かなプランを提案してくれました。この狭い敷地に対して非常に開放感のある、広がりが演出されたプランであり、これ以上のプランはないだろうと夫婦で納得できたので、アーキッシュギャラリーに私たちの家を任せようと決意できました。
その後の打合せも非常に和気藹々と進み、こちらの要望に対して、要望以上の提案をしてくれる吉村先生に私たちは信頼して設計監理を任せることができました。工事担当の中村さんも私たちの依頼に対して親切かつ迅速に対応してくれたので、施工管理で不安を感じたことはほとんどありませんでした。
工事に入ってからの打合せでは非常に細かいところまで一緒に検討させていただけたので、スイッチひとつとっても満足できるものとなりました。またキッチンは妻が最後まで色や質感で悩んでいましたが、相談する前に先にサンプルを手配してくれていたり、とことん付き合っていただけて感謝しています。
アーキッシュギャラリーにお願いしたおかげで、私たちは家創りを心底楽しむことができましたし、最高の我が家を手に入れることができました。この家で家族仲良く過ごし、成長していけたらと思います。ありがとうございました。
設計者コメント
母屋のある敷地の庭に新居を建てることが求められた計画です。計画地となるその庭は、南北に長く道路から2mあまり高いところにあり、少しだけ鍵型形状をしていることが特徴でした。南側の間口が狭かったので、建物の2階部分の上部にハイサイドライトを設けました。また、敷地の鍵型に対応して建物もズラして縦長の大きな開口部を設け、ハイサイドライトと縦長窓を連続させることで、家の中に開放感をもたらせました。
家の中は、南のテラスから北の個室まで1階と2階に渡り、家具等で緩やかに仕切りながらも、吹き抜けを介して繋がりのある空間になっています。この連続感と、ハイサイドライトから吹き抜けを介して、心地よい光が入ることがこの家の大きなポイントです。また、床材や建具だけでなく造作家具までに渡り、木材の質感や色に拘って細やかに細部を作り込んだことも、ささやかなこの家の魅力です。
- 設計事務所
- D.I.G Architects 吉村昭範
- 得意分野
- 個人住宅、集合住宅、商業建築など
住宅は使い手は住み手であり、そこで住まうことを思うと、その重みはやはり特別なものです。日常生活を感じさせないような空間を作るのですから、住宅は他のどんな施設よりも負荷が高いと実感しています。その土地、そのオーナー様でしか出てこない要望、それがユニークであればあるほど魅力のある住宅が出来ると思います。私自身は、そんなユニークな与件を際立たせる触媒のような存在になりたいと、いつも心がけています。
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